ブログ|【公式】なごみ小児歯科クリニック|戸越銀座・大崎・五反田エリアの歯科・歯医者

 
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妊娠中の「歯科治療」!時期や注意すること

2022年9月9日

妊娠中はホルモンバランスが変わることにより、心身にさまざまな影響が起こります。
お口の中も細菌バランスが変化し歯肉炎やむし歯などのリスクが上がります。
お母様の口腔状況はお子様に影響を及ぼしますので、清潔に保つようにしましょう。
そこで今回は、妊娠中の歯科検診や治療の推奨時期や注意事項やをまとめました。

妊娠中は、お口のトラブルが起こりやすくなります。

妊娠中は女性ホルモンの影響で、お食事の変化や唾液の分泌量の変化のため、お口の中の変化を感じる方がいらしゃいます。女性ホルモンは歯周病菌の繁殖を促進し、虫歯菌を洗浄する作用がある唾液が減ることで、虫歯リスクが高まり、様々なトラブルが起こりやすくなります。
さらに、つわりの時期には嘔吐反射により歯磨きがしづらくなり、お口の中が不潔な状態になりがちです。基本的な治療であれば、妊娠中でも受けて頂くことができますので、安心して出産を迎えるためにも、生まれて来る赤ちゃんのお口の健康のためにも、妊娠中のお口のトラブルは早めに解決されることをおすすめします。

 

お母様のデンタルケアが大切なわけ

お母様のお口から赤ちゃんに虫歯の原因菌であるミュータンス菌がうつることがあります。そのため、お母様のお口の中を清潔な状態にして、赤ちゃんへの感染を防ぐことが大切になります。しかし、出産後は育児などが忙しくてなかなか歯科医院に通院できないことも多いため、妊娠中に適切な検査・治療を受けられて、出産前にミュータンス菌を減少させるように努めましょう。

また、女性ホルモンの影響で起こる歯肉炎や歯周炎を「妊娠性歯周病」と言い、早産・低体重児出産のリスクを高めることがわかっています。お口が健康な妊婦と比べて、妊娠性歯周病にかかっている妊婦の早産・低体重児出産のリスクは約7倍と言われており、喫煙やアルコールなどと比べても非常にリスクが高いとされています。妊娠性歯周病は適切な治療により改善させることが可能ですので、妊娠がわかり早い段階で、一度お口の中の健康状態をチェックされることをおすすめします。

妊娠中に親知らずが痛んだり、炎症があった場合、妊婦さんの状態によっては抜歯が難しい場合があります。問題を引き起こす可能性がある親知らずは、妊娠前に抜歯しておくことをおすすめします。また、抜歯時に麻酔や投薬の必要もあるため、安心・安全に出産を迎えるためにも、妊活中など、妊娠の予定がある方は一度親知らずの状態を確認されることをおすすめします。

 

治療について

妊娠時期別の治療方針としては、以下のようになります。

 

◎妊娠1~4ヶ月(妊娠初期)

麻酔などを使用しない基本的な治療であれば受けて頂くことができます。この段階からお口の健康チェックを受けられて、安心・安全に出産を迎えるようにしましょう。

 

◎妊娠5~8ヶ月

安定期と呼ばれ、最も歯科診療を受けるのに適した時期です。ほとんどの症例で通常の治療が可能ですので、痛みなどの症状の有無に関わらず、歯石除去やクリーニングも含めて、受診され治療を受けるようにしましょう。

 

◎妊娠9ヶ月以降(妊娠後期)

いつ陣痛が起きてもおかしくない時期なので、この前までにお口のケアを済ませておくようにしましょう。

 

◎妊娠中のレントゲン検査・麻酔の使用について

基本的に、妊娠中にレントゲン検査を受けても、胎内の赤ちゃんへの被爆の影響はほとんどないとされています。歯科用エックス線撮影装置による被爆量は、歯を部分的に撮影するデンタルフィルムでは0.01mSVで、お口全体を撮影するパノラマフィルムでは0.02mSVです。また、生殖器への影響としては、デンタルフィルムでは0.00003mSV、パノラマフィルムでは0.0008mSVとなります。日本人が日常生活において自然に浴びている自然被爆量の平均が2.1mSVですので、歯科のレントゲン撮影の影響は、問題ない値といえるのではないでしょうか。レントゲン撮影は、歯科治療の際に的確な診断を行うために必要なものです。治療を受ける際に、歯科医師に相談してみてください。

また、歯科治療で使用される局所麻酔は患部周辺にしか停滞しないため、赤ちゃんへの影響はないとされ、使用する局所麻酔薬の70%が代謝・排出されるので、授乳婦であっても麻酔薬の母乳移行への心配はまずないとされています。当院では、妊娠初期では応急処置にとどめ、痛みなどの症状がある場合には、安定期まで待ってから治療を行うようにしています。

 

安心して、出産をむかえるために

妊娠中は、妊婦さんのお体の状態がどのように変化するか予測することは難しく、妊娠後期につわりがひどくなる場合などもあるため、治療計画が立てにくいと言えます。そのため安心して出産を迎えるためには、妊娠前や妊娠がわかった時点で、お口の中を健康な状態に保つための準備を始めることが大切です。
生まれて来る赤ちゃんの虫歯リスクを高めないためにも、また、妊娠性歯周炎による早産・低体重児出産のリスクを高めないためにも、お早目にお口のケアを受けて「出産の準備」を整えておくようにしましょう。

 

 

参考文献

  • マタニティー歯科外来~命を育む女性の口腔保健のために~ わかば出版
  • プレママと赤ちゃんの歯と口の健康 Q&A 医学情報社
  • 臨床医のための小児歯科 Basic & Casebook    デンタルダイヤモンド社
  • 品川区親子健康手帳 令和4年度版