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「口内炎」にも種類がある⁉︎それぞれの原因と対処法まとめ
2023年9月21日
口内炎とは、お口の中の粘膜に起こる炎症をいいます。
頰の内側や舌、唇などに出来やすく痛みを伴う場合が多いです。
口内炎にも種類があり、症状や対応が異なるため確認していきましょう。
口内炎の種類
●アフタ性口内炎
原因は不明で、アレルギー、ビタミン欠乏、ストレス、生活習慣の乱れ、お口の中が不衛生な状態等主に免疫力の低下によるものと考えられております。
また、歯が当たってしまったり、頰や唇を噛んでしまってできた傷口に細菌が侵入する場合もあります。
直径は1〜10mm程度の白い円形の粘膜表面がえぐれたようなできもので、痛みやしみるなどの症状がでてきます。
処置としてはお口の中を洗浄しお口の中に使える軟膏を塗って経過を見てもらいます。
通常ですと2週間程度でよくなるとされております。
●ヘルペス(疱疹)性口内炎
単純ヘルペスウイルス感染による口内炎で、2〜5歳のお子様に発症するものになります。
唾液やたんの飛沫(飛び散った細かいしずく)などにより感染し、感染してから症状が現れる期間を示す潜伏期は1週間です。
高い発熱や歯茎の腫れ、特徴的な水ぶくれ(水疱)が歯肉や唇、舌、頰の内側、上あごなどに現れます。
食事をしようとすると激しく痛むため小さなお子様では水分や食事ができなくなることがあります。
そのため水分や栄養を摂ることが大切になり、痛みにより食事が困難な場合は小児科にて点滴をお願いする場合もございます。体力が低下するため抗菌薬を飲んで感染防止に努めます。
症状は2週間程度でなくなり跡も残らず治りますが、ごくまれに重症化し合併症として無菌性髄膜炎や脳症を引き起こす場合があります。
●べドナーアフタ
新生児期に上顎に出来る口内炎です。
合わない哺乳瓶のゴム乳首を使い続けたり、おもちゃを常に咥えてたりと慢性的な刺激が加わることで起こります。お口に合うゴム乳首に交換して刺激を減らす等の対策をして刺激を取り除けば、通常は治療は必要なく数週間で完治します。当院での処置としては口腔内を清潔にし口の中に塗れる抗菌性の軟膏を塗って経過を見ていきます。
口内炎を予防するには?
口内炎ができてしまった際の対処法は分かりましたが、予防するにはどうしたらいいのでしょうか。
●お口の中は清潔に
口内炎はお口の中が不潔状態だとできやすくなります。
そのため、正しい歯磨き方法を学んでいつでもお口の中を清潔に保ちましょう。
●規則正しい生活習慣とビタミン不足に気をつけて
風邪をひいたり疲れていたりと免疫力が落ちている際にもできやすいため、抵抗力をつけ主にビタミン不足にならないよう摂取を心がけていきましょう。
●お口の中の傷や火傷は口内炎の原因に
頰の内側や唇を噛んでしまい「咬傷」となったところが口内炎になる場合もあります。
転んでしまった、ぶつけてしまった際に噛んでしまうケースも多いため、お口周りを怪我した際は早めの歯科医院受診をおすすめしております。
また熱い食べ物、飲み物等でも火傷により炎症を起こす事がございます。
お子様は熱さなどが分からずそのまま口に運んでしまうことがあります。
そのため小さなお子様は保護者の皆様がある程度冷ましてから、少し大きくなってきましたら「フーフーしてからね」等の声がけもよいかもしれません。
万が一火傷をしてしまった際は、冷たいお水でお口をゆすいだり氷をお口の中で転がしたりと冷ましていただくようお願いいたします。こちらも赤みや腫れ、痛みが長く引かない場合は早めの歯科医院受診をおすすめしております。
●定期的に歯科医院で検診を
お口の中を清潔に保つために定期的なクリーニングや染め出し液による汚れがどこに付いているかのチェックは非常に重要になってまいります。
当院ではお子様ご本人の歯磨き指導や保護者の皆様の仕上げ磨きの相談も行なっておりますので、清潔なお口の中を目指しましょう。
金属の詰め物や矯正器具等の金属アレルギーの反応で口内炎ができる場合もございますので、ご不安なことはお気軽にご質問いただければと思います。
寒暖差が激しく体調を崩しやすい季節となりましたので、お口の中からも予防し健康に過ごしてまいりましょう。
<参考文献>
医歯薬出版 歯科衛生士教本 小児歯科