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「すきっ歯」の輪ゴム自力矯正は危険!原因や5つの治し方を学ぼう

2021年2月16日

お子さんの上の前歯2本を見てみてください。
あいだが開いていないでしょうか?
「すきっ歯」と呼ばれる状態ですが、裏にほかのトラブルが隠れている可能性があります。
原因や治療法をまとめましたので、一緒に学んでいきましょう。

 

すきっ歯とは歯と歯のあいだに隙間がある状態を指す俗称

 

 

すきっ歯とは、歯と歯のあいだが開いていて隙間がある状態を指す俗称です。
歯列不正の一種で、矯正学の用語で正しくは「歯間離開(しかんりかい)」や「空隙歯列(くうげきしれつ)」と呼ばれます。

 

とくに“すきっ歯”と聞くと、上の前歯(乳中切歯)2本のあいだが開いている状態をあなたはイメージしないでしょうか。
しかし歯間離開や空隙歯列は、パッと見ただけでは隙間の有無が分かりにくい奥歯なども対象に含んでいます。
そのため俗称と正しい専門用語とで意味合いに違いがあるのです。

 

たとえば歯と歯のあいだが開く原因が、矮小歯(標準なものと比べて小さい歯)やブラックトライアングル(2本の歯の間と歯茎に囲まれてできる三角形の隙間)であるケースがあります。

 

歯列不正による症状ではありませんが、歯と歯のあいだに隙間があるのは間違いありません。
そのため矮小歯やブラックトライアングルもすきっ歯として診察や治療が行われるのです。
上記のような経緯から、“すきっ歯”は広い意味合いで使われる言葉になりました。

 

すきっ歯の原因に舌癖・口唇癖や過剰歯が

 

 

矮小歯やブラックトライアングルを紹介しましたが、すきっ歯になる原因は多くあります。
代表的な原因をまとめてみました。
すきっ歯の裏にほかの問題が隠れている可能性もあるため、小児歯科医などと一緒に発見・改善に努めていきましょう。

 

●すきっ歯の代表的な原因(1):歯や顎の大きさのバランスがとれていない

矮小歯のように歯が小さすぎたり、反対に顎が大きすぎたりすると歯と歯のあいだに隙間ができます。
複数箇所に・不規則に隙間ができるのがこのケースでは多いです。

 

●すきっ歯の代表的な原因(2):先天性欠損・先天性欠如

先天性欠損とは、歯ができておらず生えてこない現象です。
乳歯から永久歯に生え変わる際のトラブルとして多く見られます。
乳歯が抜けたあとも永久歯がないため隙間が埋まらないケースです。

 

●すきっ歯の代表的な原因(3):過剰歯

乳歯20本・永久歯28〜32本よりも多く生えた歯を過剰歯と呼びます。
乳中切歯の間に過剰歯があるせいで、前歯の真ん中に隙間ができるケースが該当します。

 

●すきっ歯の代表的な原因(4):上唇小帯低位付着

上唇小帯とは上顎の中央と上唇をくっつけているスジです。
上唇小帯が本来よりも低い位置にあると、「歯間乳頭」(歯と歯のあいだにある三角形の歯肉)が大きく発達しすぎる場合があります。
その影響で乳中切歯を押し広げて隙間ができる可能性があるのです。

 

●すきっ歯の代表的な原因(5):舌癖・口唇癖

舌先で歯を押したり、下唇を噛んだりする癖によって隙間ができるケースがあります。
治療してすきっ歯が改善されたあとも、癖が直らなければまた隙間ができかねません。
治療と合わせて癖を改善する必要があります。

 

●すきっ歯の代表的な原因(6):歯周病

歯周病が進行すると前歯が前方に倒れていく「フレアーアウト」を起こし、すきっ歯になる危険性があります。
すきっ歯の治療の前に、歯周病の治療が必要です。

 

●すきっ歯の代表的な原因(7):歯の捻転や傾斜

歯が捻転(ねじれること)すると、扉が開くように歯と歯の間に隙間ができます。
傾斜とは傾くことです。
歯の先端側が開く「遠心傾斜」と、歯の根元側が開いてブラックトライアングルができる「近心傾斜」があります。

 

印象が悪い!?すきっ歯の影響で性格が暗くなる人も

 

 

すきっ歯があると、見た目や印象が悪くなる点が指摘されています。
そのためとくに他人から指摘されるのが怖くて、うまく笑えなかったり誰かの前で口を開けるのが恥ずかしかったりとコンプレックスになっているケースが見られます。

 

また歯は隣同士で支え合って生えています。
捻転や傾斜について先述しましたが、隙間があると正しく生えていた歯が移動したり傾いたりして歯並びや噛み合わせに悪影響がおよぶ危険性があるのです。
ほかにも虫歯や歯周病になりやすかったり・発音に影響が出たりする可能性が指摘されています。

 

すきっ歯の5つの直し方!輪ゴムを使った自力での矯正は危険

 

 

見た目に影響するため、すきっ歯を治療したいと思われる人も多いでしょう。
代表的な治療法5つについてまとめました。
小児歯科医などと相談しながら治療法を検討してください。
また治療後も、舌癖・口唇癖があれば後戻りするかもしれません。
合わせて改善するようにしましょう。

 

■すきっ歯の治療法(1):ダイレクトボンディング法

レジンやプラスチックなどで作った“つけ歯”を元あった歯につけて隙間を埋める方法。

[メリット]

・歯を削らずに済む
・治療が一回で完結する
・歯の移動がないため、問題があったときの再治療が簡単

[デメリット]
・つけ歯と元の歯の継ぎ目が気になるかもしれない
・変色する可能性がある
・硬いモノを食べると欠けるときがある
・足した分だけ歯の幅が大きくなる
・治療後にホワイトニングができない(つけ歯の色は変わらない/ホワイトニングは治療前に行う)

 

■すきっ歯の治療法(2):ラミネートベニア法

歯の表面(唇と接している面)を削ったあとに、隙間を埋められるように大きさを調整したセラミックのベニアを削った部分に貼り合わせる方法。

[メリット]
・(セラミッククラウンと比較すると)歯を削る量が少量で済む
・ホワイトニングの効果がある
・(矯正と比較すると)治療期間が短い
・(ダイレクトボンディング法と比較すると)耐久性が高く、変色しない

[デメリット]
・歯を削る必要がある
・捻転や傾斜が原因のすきっ歯には対応がむずかしい

 

■すきっ歯の治療法(3):セラミッククラウン法

歯の全周を削ったあとに、その歯を覆うようにセラミックの被せ物をしてすきっ歯を埋める方法。

[メリット]
・(矯正と比較すると)治療期間が短い
・歯の色に問題があれば、希望する色の被せ物をつけられる
・捻転や出っ歯などによるすきっ歯も治せる

[デメリット]
・歯を削る割合が大きい
・比較的高額

 

■すきっ歯の治療法(4):ワイヤー矯正法

ワイヤーを通した金属の矯正器具を歯につけて、歯を移動させることで隙間を埋める方法。

[メリット]
・複数箇所のすきっ歯を同時並行に治療できる
・歯の形や大きさを変えない
・捻転や出っ歯などによるすきっ歯も治せる

[デメリット]
・矯正器具が目立って見た目が悪い
・矯正器具を取り外せない
・後戻りを防ぐ保定装置をしないと短期間で元に戻る
・費用が高額(歯の裏側に器具をつける場合はさらに高額に)

 

■すきっ歯の治療法(5):マウスピース矯正法

プラスチック製の透明なマウスピースによって歯を矯正する方法。

[メリット]
・複数箇所のすきっ歯を同時並行に治療できる
・歯の形や大きさを変えない
・無色透明のため治療中でも目立ちにくい
・(ワイヤー矯正法と比べて)器具が邪魔にならない
・食事や歯磨きの際には器具が取り外せて衛生的
・ホワイトニングを並行できる

[デメリット]
・着用時間を守らないと効果が出ない
・食事のたびに取り外すのは面倒
・後戻りを防ぐ保定装置をしないと短期間で元に戻る
・マウスピースのあいだに食べカスが入ったりすると虫歯のリスクが増える
・比較的高額

 

—輪ゴムを使って自力ですきっ歯を矯正するのは危険—

2015年にアメリカで輪ゴムを使ったすきっ歯矯正のDIYがブームになりました。
YouTubeの投稿をきっかけに広まったブームでしたが、歯科矯正の専門医たちがその危険性を訴えて社会問題になったのです。

短期間で歯を動かす行為は歯・歯茎・神経を痛めるだけでなく、輪ゴムが歯茎に食い込むために感染症や歯周病につながる危険性があります。
トラブルになると、歯科医院に通って矯正するより高額になりかねません。
危険ですので、絶対にマネしないでください。

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自力での矯正は絶対NG!小児歯科医などに相談しよう

 

 

輪ゴムの矯正方法について紹介しましたが、自分たちで治そうとするのはトラブルのもとです。
影響や費用を小児歯科医などと相談しながら、一緒にすきっ歯と向き合っていきましょう。

 

また原因として紹介した過剰歯や治療法であるマウスピース矯正については別記事で詳しく解説をしております。
そちらも合わせてご一読ください。

 

■「過剰歯」とは!?原因・割合・手術など子供の親が知りたい情報を解説!!
https://www.nagomi-kids-dental.com/blog/2019/12/17/2-hints-finding-excess-teeth/

■「マウスピース型矯正」のメリット5つとデメリット3つを紹介!!
https://www.nagomi-kids-dental.com/blog/2019/11/19/5merits-and-3demerits-of-mouthpiece-correction/