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鬼歯・魔歯!リガフェーデ病にもつながる「先天歯」の対策
2020年2月18日
生まれたてなのに歯が生えている!?
授乳中に乳首が痛むと思ったら生後ひと月程度なのに歯が生えていた!?……と驚かれた人もいるでしょう。
このように歯が生えて赤ちゃんが生まれてくるケースや予定よりも早く歯が生えてしまうケースがあるのです。
原因は特定されていないのですが、なかにはすぐにでも小児歯科に相談して処置した方がいい場合もあります。
それがどういった場合なのか・またどういった処置をするのかをまとめて紹介します。
鬼歯・魔歯とも呼ばれる「先天歯」は2パターン
「鬼歯」や「魔歯」と呼ばれるケースもありますが、正式な名称は「先天歯」もしくは「先天性歯」です。
生まれてすぐで生えている、または生後1〜2ヶ月以内で生えてきてしまう歯を指します。
先天歯は2パターンに分けられます。
まずは生後6〜9ヶ月ごろに本来ならば生えてくる乳歯が早く生えてしまったパターン。
もう1つは正常な本数よりも多く・早く余分な歯が生えてしまったパターンです。
後者は「過剰歯」と呼ばれる現象で、30〜40人に一人は見られます。
先天歯はエナメル質が薄くてむし歯になりやすい
通常よりも早く生える以外にも先天歯の特徴はあります。
まとめて4つほど見てみましょう。
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①下の前歯(乳中切歯)に1〜2本あるケースが多く見られる
②不完全な構造。歯の根っこが未完成で短く不安定
③表面のエナメル質が薄くもろくてザラザラしている
④茶色い
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先天歯は先が尖っている場合が多いです。
①のように前歯に先天歯があると授乳中に母親の乳首を傷つける恐れがあります。
さらに舌の下に生えている場合は赤ちゃん自身の舌を傷つけ、「リガフェーデ病」(先天歯が舌の裏側に当たって傷ができ腫瘍になってしまう疾患)につながるケースもあるのです。
痛みを感じて、機嫌が悪くなったり哺乳できなくなったりするのも問題として挙げられます。
さらに②のとおり先天歯はグラグラ揺れたり衝撃で抜け落ちたりする場合もあります。
寝ている最中に抜けて誤飲してしまうと窒息の危険もあって親御さんは注意しつづけなければなりません。
③④に関しては、歯の表面がボロボロな状態をさします。
乳歯・永久歯でも同じように、歯の表面がボロボロではむし歯のリスクが高まってしまいます。
抜け落ちずに残っている場合は歯磨きでケアしないとむし歯になって口内環境に悪影響を及ぼしかねないのです。
残すか、抜くか。先天歯の処置は小児歯科医に相談!!
先天歯が生えている・生えてしまった場合は処置をする必要があります。
2パターンあるのを紹介しましたが、乳歯が予定よりも早く生えてきてしまった場合は“残す”のが一般的といえます。
リガフェーデ病などにつながらないためにも小児歯科医院で先端を丸く削ってもらいましょう。
また抜けて誤飲するのを防ぐために、硬いおもちゃなどを口に入れさせないように注意し、抜けないように心がけてください。
また過剰歯の場合はとくに“抜く”ケースが多くみられます。
乳歯の場合は抜くと再び生えてはきませんが、永久歯が生えてくれば問題ありません。
レントゲンなどで口内の様子を観察しながら、小児歯科医と時間をかけて経過を見守りましょう。
小児歯科医と長く付き合って、先天歯は正しく処置
先天歯を抜いてスペースが空くと隣の歯が寄ってきたり倒れたりする場合があります。
3〜4歳以降のお子さんであれば入れ歯(義歯)なども用いながら永久歯が正しく生えてくるのを観察していきます。
残すのか抜くのか、また管理はどのようにするのか、小児歯科医にかかって相談してみてください。
くわえて本記事でも名前の出た「過剰歯」や「義歯」については別記事で詳しく紹介しています。
下のURLからぜひアクセスしてみてください。
■この2つをまず警戒!見えない場所にある「過剰歯」からお子さんの口を守るヒント
https://www.nagomi-kids-dental.com/blog/2019/12/17/2-hints-finding-excess-teeth/
■「義歯・入れ歯」って、子どもにも必要なときがあるんです。
https://www.nagomi-kids-dental.com/blog/2020/01/21/about-denture-for-children/